
U・Tさん 20代男性
外食時にパニック発作が出現
過呼吸、冷や汗、気分不良、腹痛
車で狭い道やトンネルで圧迫感を感じる
めまい
このような症状でご相談に来られたU・Tさん。
初回初めてお会いした印象は、とても精悍なお顔立ちで清潔感があって、20代前半とは思えない落ち着きを持っている方という印象でしたが、お話をお伺いしているととても深刻に悩まれていて、何とか改善したいという想いが伝わってきました。
「何を見ても経験しても楽しくない」
という言葉がとても印象に残っていて、20代前半の方が口にする言葉ではないと感じ、何とかして元気になってもらって、何事も楽しめるようになって頂きたいと思い、施術を開始しました。
不調の根本的な原因は・・
パニック障害の場合、これは絶対に欠かせないというポイントがあります。
それは 「パニック発作を起こした時の記憶をクリアにする」 という事です。
そんな事できるの?と思われるかも知れませんが、心理療法のテクニックで対応する事が可能なんです。
ではなぜこれが必要なのかと言うと、人間は「命の危機」を感じる行動や環境を無意識のうちに避けようとします。
パニック発作を経験した方なら理解出来るかと思いますが、パニック発作は「死ぬかも!」って思ってしまうほど強烈なインパクトがあるので、その「死に対する恐怖心」から、1度経験した場所はとにかく避けようとしますし、それに似たような環境も避けようとします。
それがエスカレートするとちょっとした事で不安を感じやすくなったり、外に出るのが怖くなったり、広場恐怖といって乗り物や狭い場所、広い空間などで恐怖を感じてしまったりします。
U・Tさんの場合は、外食時に1度発症した経験があり、それ以外にお風呂でも発症しているので、外食やお風呂に入る時には特に不安感や恐怖感に襲われて苦しくなってしまう状態が続いていました。
ですからまずは、そのパニック発作を経験した記憶に対して施術をする事から始める必要がありました。
それと同様に重要なのが、そもそもなぜパニック障害を引き起こしてしまったのかという事です。
そこにはその人が持つ「性質」「性格」「信じ込み」などが関係していたり、パニック発症以前の恐怖体験が関係していたりしますので、その辺りも含めて施術を進めていきました。
施術録 全5回
結論からいうと、今回のU・Tさんの施術は初回を含め全部で5回来院して頂きました。
初回からのリアルな経過を報告させて頂きます。
「1回目」
まずカウンセリングを行い詳しく状況を把握した結果、根本原因の所でも触れましたが、4年前にお風呂でパニック発作を発症した事と、最近外食時に発作を引き起こした事が、U・Tさんの今の状態に繋がっていて悪影響がある事が分かったので、今回はその過去の記憶に対して施術を行いました。
最初その時の事を思い出してもらうと、不安感が出てきて気分が悪くなったり、身体が反応したりしていましたが、施術後はそれが無くなっていて、同じように思い出してもらうとあまり思い出せなくなっていたので、U・Tさんもすごく不思議に感じておられました。
こうなると施術は上手くいっていますので、初回はここまでにして次回までの間の変化を見る事にしました。
「2回目」
2回目は2週間後に来院して頂きました。
初回からの2週間、調子が良かったと仰っていて、腹痛になったりめまいがしたりもなかったそうですが、外食に行ったりはまだしていないという事でした。
今回は初回にさせて頂いた内容が上手く解消出来ているかをまずはチェックし、少し身体の反応が戻っている感じがあったのでそれを解消する施術と、「幼少期の潜在的な恐怖感」という部分にアプローチする必要があったので、その施術と脳をリラックスさせる施術を行い、2回目の施術を終えました。
「3回目」
3回目も2週間後に来院頂きました。
2回目以降も調子は良かったそうで、今回は外食に行く機会があり、良いお肉を食べてきたそうですが、どうもなかったと喜んでおられました。
ただ最近は疲労感が目立つそうで、寝ていてもよく夢を見るし、仕事中も疲労感で集中できない事があったそうです。
今回はその事について施術を行うという事で同意頂き、原因を探っていくと、「自分は常に頑張っていないといけない」という信じ込みがあったので、それを解消する心理療法を行い、今回も脳をリラックスさせる施術を行いました。
「4回目」
前回から3週間後に来院して頂きました。
U・Tさんが「パニックは起こらないようになった」と過去形で仰っていたので、上手く抜け出せたなという風に感じました。
上手く休めるようにもなっているそうで、疲労感もあまり感じなくなっているとの事でした。
今回こういう風に不調の経験をして、今後また同じようにならないか不安だと仰っていたので、「病気とは何なのか」という事についてご理解頂く必要があると考えましたので、今回はその説明と、前回と同様に脳をリラックスさせる施術を行いました。
「5回目」
前回から1ヶ月後に来院頂きました。
この1ヶ月間も調子良く過ごせていたそうで、外食も不安が0ではないが、躊躇なく行けているとの事でした。
今回は身体で潜在的に不調が出ている所の施術と、脳をリラックスさせる施術をさせてもらい、今回はこれで一旦終了とし、また何かあればご連絡下さいとお伝えしました。
とても喜んでもらえて、この仕事をしていてとても幸せを感じる瞬間でした。
今回の症状のキーポイント
今回のU・Tさんのケースでは、パニック発作を起こした時の強烈な恐怖心が脳を緊張させてしまい、それが症状を助長させてしまっていた事と、発症するまでのストレス過多が原因でした。
パニック障害の場合は、薬を服用する事で症状の緩和をさせるというのが一般的ですが、それだと根本的な解決にはなりませんし、実際に何年も苦しんでいる方はたくさんおられると思います。
ですが根本的に良くする事は可能です。
人によってもともと持っている性格や資質によって改善していくスピードは違いますし、個人差があるので、U・Tさんのように数回で善くなる場合もあれば、半年以上かかる場合もあります。
ですが焦らずにじっくりやっていけば、きっと良い結果に繋がっていきますので、現在U・Tさんのような症状でお悩みの方は、精一杯サポートさせて頂きますので、是非1度ご相談下さい!